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マンションの「杭打ち問題」を考えてみる

 

昨年、マンション業界に激震が走りました。

 

いわゆる『マンション杭打ち問題』です。

 

建物を支える杭が、建物を安定させる地盤まで到達していないために、マンション自体が傾いたという事件です。

 

結局、東京オリンピックが終了する頃に、再建築が終了するということです。

 

本当に居住者からすれば、心の置き所がなくなる事由だったと思います。

 

 

 

この事件を受けて、マンション購入検討者からは「ちゃんと杭が打ち込まれていますよね?」と言う質問が増えてきました。

 

中には「杭打ち業者はどこですか?」というお客様もいました。

 

お客様のフリをした入居者が電話で聞いてきた場面もありました。

 

 

 

それを受けて、マンションの管理組合に問い合わせることになりますが、対応は様々です。

 

書面で回答する所もあれば、管理室に通され、膨大な設計図書を出してきて、「好きなだけ調べてください」というところもあります。

 

また「わかりません」と答えるところもあります。

 

「杭打ちに対する質問」と言う想定を、今までしたことがないので、対応マニュアルがないのでしょう。

 

 

 

今までの不動産の契約書類の歴史は、事件があったら、その都度変更が加えられます。

 

今後、購入者の知りたい要望が高まれば、『杭打ちがここまでなされています』という説明が増えるかもしれません。

 

 

 

不動産で働く人たちも、一時期、この話題で沸騰しました。

 

いろいろな人の話を聞いた中で、「なるほど」と思ったものがあります。

 

「すでに建っているマンションでさ、前面の道路が狭かったり、そこまでの道中が狭かったり、カーブがきつかったり、敷地が変形したところとかさ。そんなマンションを建てるとき、どうやって長い杭を運び込むんだろう」。

 

杭は何分割化するとはいえ、そこまで大型トラックが入りきらない物件はいっぱいある、って言うのです。

 

建設機材だって制限されるのではないか?と言う論法です。

 

昭和の漫才師の「地下鉄はどっから入れるんでしょうね~」に近い話ですが、一つの判断基準になりそうですね。

 

ただ、話の大方は「大手の不動産会社だと、建替えやっちゃうんだ。耐震偽装があった、Fとは大違いだね」というものです。

 

 

 

さて、ここまで綴っておいてなんですが、私たちは不動産売買の従事者で、建物建設の従事者ではありません。

 

調べることはできますが、個別・具体的な説明はできません。

 

重要事項説明に『杭打ち』に関する項目はありませんので、明快な答えは言えないのです。

 

経験則でしか、お答えできないのです。

 

ただ、私たちより明快な答えをしてくれる人がいます。

 

「売主・居住者」です。

 

実際に住んでいての感想ですから、これ以上の経験則はないでしょう。

 

 

 

□「住んでいて、建物全体に不備はないですか?」と聞く



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