「値引きができない」理由を考える

 

不動産、特に中古物件に関しては、マンション・戸建に係らず値引き交渉が一般的になってきました。

 

サーパス小田原シティのような人気物件は別ですが、多くの場合、「安くならないの?」と聞かれることも多々です。

 

だけど、「この物件は値引きができません」と、ピシャっと言われる場合も間々あります。

 

値引きの理由を知る前に、値引きできない理由を知ると、売り手の心理と対応策がみえてきます。

 

 

 

まずは「売り出した直後の場合」。

 

私たち不動産会社は、オーナーさんから3ヶ月間独占的に販売することのできる契約を結ぶ場合があります。

 

これを『専属専任契約』『専任契約』と呼びます。

 

販売直後は、多くの場合「売れたら嬉しいな」という金額を付ける場合があります。

 

その時に、値引きした金額を提示しても「まだまだ時間があるから、このお客に決めなくても良いな」となるわけです。

 

仮に1~2ヶ月売れなかった場合、オーナーサイドは「この前のお客様、どうなの?」と聞き直せばいいわけです。

 

逆説的に言えば、時間が経てば、値引き交渉に応じる場合があります。

 

 

 

つぎに『任意売却物件』の場合。

 

任意売却物件は、「オーナーではなく、金融機関や保証会社が代理して売却する物件」のことです。

 

多くの場合は、家や事業などのローンが支払えなくなったので、売って負債を補填するケースです。

 

大雑把に言えば、その金額で売れないと借金がチャラにならないから値引きできないということです。

 

ただし、値引きのことよりも大事なことは「売れないと元も子もない」ということです。

 

それでも手が届かない、実勢価格に合わない金額で販売されていれば、換金化することは不可能でしょう。

 

「値引きしているけど、この日までには決済(お金の支払)ができるんですけど…」と言ってみることもあります。

 

値段安くなっちゃったけど、確実にお金になることを優先する場合もあります。

 

 

 

「その金額で売れないと残債が返せない」と言う場合もあります。

 

任意売却と近いですが、こちらは漏れなくちゃんと払っているケースです。

 

35年ローンで残り15年分の支払い期間と残債があるので、この金額で売らないとチャラにならないというものです。

 

さすがにこれは、値引きを強制するのは難しいです。

 

借金がゼロにならない売却は、お金を貸した金融機関がゴーサインを出さないからです。

 

 

 

これ以外にもいろいろなパターンがあります。

 

「次買うマンションが決まっている」

 

「子どもや両親に使う金が確定している」

 

「この物件を売って、税金を払わなければならない」

 

「リフォームにお金がかかっているので値引きはNG」

 

「マンションで紳士協定が決まっていて、一定の価格以下では販売できない」

 

物件が数多あるわけですから、その理由も数多になるわけです。

 

大事なのは、「値引きできない理由」を聞いてみることです。

 

前記の通り、内容によっては、譲れる条件もあるわけです。

 

もちろん、物件の一面を垣間見れるわけですから、満額で購入する要素になるかもしれません。

 

 

 

□何で値引きできないんですか?と聞いてみる。



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