先日、初めて一人暮らしをする方をご案内いたしました。
物件の内覧に行く車の中での会話です。
「いろいろホームページなどを見ていても、どのくらいの部屋の広さが新生活に合うのか、よくわからない」。
実家暮らしから一人暮らしになる際に、意外とイメージが付きにくいものです。
私からの返答はこうでした。
「今回持っていく家具・家電を配置したイメージをして、生活しやすいかを、判断基準にしたらどうですか?」。
実際に現地に到着に、部屋に入ると「ここにベッド、ここにテレビ…」と口にし、「ここは狭いですね~」と即答していました。
その後、何軒か物件見た後の感想は「部屋の広さ(面積)は変わらないけど、レイアウトによって広く感じたり、狭く感じたりするんですね」とのことでした。
一度、この感覚をつかんでおくと、インターネットの物件情報を見ても、良し悪しがある程度わかってきます。
シングルの部屋同様に、中古マンション購入の場合も似た感覚が必要となります。
マンションを設計する人も、ある程度の大型家電は、部屋のここに配置してください…的に間取を作成しています。
洗濯機と冷蔵庫はそれぞれ洗面とキッチンに備え付けの場所を作ってあり、洗濯パンやコンセント、アースなどが事前に設置されています。
あとテレビと電話。
テレビ用と電話用のジャックも事前に設置されているので、これもある程度の配置が決まってきます。
テレビに関しては、地上デジタル放送が開始する前に建ったマンションと、後で建ったマンションでは、テレビとの距離感の配慮が違います。
アナログ放送時代のマンションは、奥行きのあるブラウン管テレビですから、大抵リビングの部屋の隅に配置されています。
デジタル放送時代のマンションは、画面の大型化と薄型で、テレビと見る人の距離感ができるように南北側の壁際に配置されています。
また、電話のジャックは、ネットのジャックに代わり、テレビのジャックの近くになり(双方をつなぐため)、見通しの良い部屋の中心に(wifiのルーターのため)配置されるようになりました。
ここまで決まると、テレビに付帯した『ソファ』、ルーターに付帯した『パソコン』もある程度の場所が決まってくるはずです。
次に寝具です。
布団でご就寝されたい方は、押入れの部屋となります。
最近は押入れが少なくなっているのと同時に、クローゼットも奥行きがあまり無いものも増えてきました。
「引っ越してみたら。クローゼットに座布団がそのまま入らない」と嘆いている貴兄もいました。
なので収納が大きい部屋が寝室となります。
ベッドの場合は、言わずもがな、その大きさがポイントです。
子ども部屋であれば+学習机、主寝室であれば+ドレッサー、場合によっては+本棚や+パソコン、+テレビとなるわけです。
全部を配置して、余裕のあるスペースができるか?と言うことになります。
「引っ越してみたら、ベッドが大きくて、クローゼットの扉が開かない」と嘆いている貴兄もいました。
ざっくり説明してもこのぐらいあります。
さて、マンションに目星をつけて、内覧へ、と言うときに、できれば資料の間取に、「ここにテレビを置いて…」と書き込んで欲しいのです。
そうすると、内覧した際に、「広いLDKですね…」ではなく、「実際に物を置いてしまうと、歩きづらいわね…」と具体的な感想になります。
これを行うことで、「住んだ後にしまった!と思わない部屋選び」ができるわけです。
専有面積70㎡以上の部屋でも、狭く感じる部屋は、生活を意識していない間取だからです。
そう、不動産屋は知っています。
「物を置くと、どんな広い部屋でも狭く見える」ということを。
□引っ越したらここにこれを置く、を家族で相談する。
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